命令形、もしくは命令文とは、文字通り相手に対して命令口調で指示をしたり、ustedに対しては依頼したり、nosotrosに対しては何かに誘ったり提案したりするときに使用されます。
英語で命令形を作る際には、基本的に動詞を原形にするだけで良いので簡単です。しかし、スペイン語で命令形を作るのは、少しややこしい決まり事を覚えなければなりません。
肯定命令と否定命令
まず、命令形には、「肯定命令」と「否定命令」があります。
肯定命令は、「~しなさい」など、普通に命令するものです。英語を例に出せば、"Close the door."は、「ドアを閉めなさい」という肯定命令です。
対して、否定命令は、「~してはいけません」など、禁止を伝えるものです。英語を例に出せば、"Don't close the door."は、「ドアを閉めてはいけません」という否定命令です。
さて、スペイン語で命令文を作る場合、命令する相手、そして肯定命令と否定命令の違いによって、動詞の「法」が変わります。少し難しいので、少しずつ理解してください。
まず、tú や vosotros に対する肯定命令は、「命令法」という「法」に従って、動詞が変化します。
そして、tú と vosotros 以外の相手に対する肯定命令と、全ての相手に対する否定命令では、「接続法」という「法」に従って、動詞が変化します。
なお、「法」ついての簡単な説明は、コチラをご覧ください。
文章では分かりづらいでしょうから、以下のように表にしてまとめてみました。
肯定命令 | 否定命令 | |
相手 | 動詞の法 | |
tú | 命令法 | 接続法 |
usted | 接続法 | 接続法 |
nosotros/nosotras | 接続法 | 接続法 |
vosotros/vosotras | 命令法 | 接続法 |
ustedes | 接続法 | 接続法 |
接続法については、この基礎編では学びません。応用編で学びますので、現段階では、とりあえずそういったものがある、ということだけ覚えておいてください。
命令法の活用
さて、命令法ですが、作り方はシンプルです。
まず、tú に対する肯定命令は、直説法の現在形3人称単数の形です。
例えば、「hablar(話す)」の動詞ならば、3人称単数の「habla」で、「話しなさい」という意味の tú に対する肯定命令の形になります。
そして、vosotros/vosotras に対する肯定命令は、動詞の原形から最後の r を取り、代わりに d をつけることで完成します。
「hablar」を例にとると、「hablad」で vosotros/vosotras に対する肯定命令となります。