男性名詞と女性名詞
名詞でも述べたとおり、スペイン語では、名詞は男性名詞と女性名詞とに区別されます。
例えば、以下のような具合です。
男性名詞: chico 男の子
女性名詞: chica 女の子
上記の例では、生物として性の違いがありますので、男性名詞と女性名詞とを区別する意味が分かりますね。
chico(男の子)は「男」ですから「男性名詞」、chica(女の子)は「女」ですから「女性名詞」。単純明快です。
しかし、性別に関係のない名詞でも、性の区別があるのです。
男性名詞: libro 本
女性名詞: novela 小説
本にも小説にも、性別なんてありませんよね。どういうことでしょうか。
なぜ、libro(本)が男性で、novela(小説)が女性なのか、ということに関しては、実は理由はありません。
別に、「本」が男性的である、とか、「小説」が女性的である、というものでもありません。
ただ、そう決まっているだけです。あまり深く考える必要はありません。
男性名詞と女性名詞はどうやって見分ける?
では、どうやって男性名詞と女性名詞とで区別すればいいのでしょうか。名詞の性を区別する方法はいくつかあります。1つずつ見ていきましょう。
基本ルール1:男性名詞は、語尾が「o」で終わり、女性名詞は語尾が「a」で終わる
これには、例外もありますが、基本的に語尾が「o」の名詞は男性名詞、語尾が「a」の名詞は女性名詞と考えてください。上記の「libro」と「novela」も、この基本ルールに従っていますね。
なお、語尾が「ción」、「sión」、「dad」等の名詞も女性名詞です。
女性名詞:estación 駅、profesión 職業、universidad 大学
基本ルール2:生物の性が男性(オス)なら男性名詞、女性(メス)なら女性名詞となる
これは、分かりやすいルールですね。上記の「chico」と「chica」もこのルールによるものです。
他にも、以下のようなものが当てはまります。
男性名詞:padre 父、profesor 男性教師、león 雄ライオン
女性名詞:madre 母、profesora 女性教師、leona 雌ライオン
名詞の性の見分け方の例外
今度は、例外について見ていきましょう。
上記の基本ルールにあてはまらない例外は、以下の通りです。
例外1:上記基本ルール1の語尾による区別とは逆のパターン
これは、とてもややこしい例外なのですが、なんと語尾が「a」で終わる男性名詞や語尾が「o」で終わる女性名詞も存在するのです。以下に具体例を挙げます。
男性名詞:día 日、problema 問題
女性名詞:radio ラジオ、mano 手
例外2:区別する方法がない
なんの法則も存在しない名詞もあります。例えば、以下のような名詞があります。
男性名詞:coche 車、hotel ホテル、deporte スポーツ
女性名詞:sal 塩、ley 法律、llave 鍵
上記の例外1,2については、基本的に一つ一つ覚えていくしかありません。
なお、この講座では、男性名詞を「(sm)」、女性名詞を「(sf)]と略記することがあります。