スペイン語「点過去」の不規則動詞
点過去でも、残念ながら、不規則動詞がある。そして、やはり使用頻度が高い動詞ほど、不規則の度合いが高い傾向があるようだ。
まずは、不規則という点で代表的な ser から見てみよう。
ser の点過去の活用
yo fui
tú fuiste
él/ella/usted fue
nosotros/nosotras fuimos
vosotros/vosotras fuisteis
ellos/ellas/ustedes fueron
ser は、現在形と同様、原形が分からなくなるような形の活用をするのだ。
ここで、覚えるのに辟易としている方に朗報だ。
なんと、ir も ser と全く同じ点過去の活用なのである!
ser と ir は点過去の活用が同じ
ir の点過去の活用は、ser と全く同じである。
つまり、こういうことだ。
ir の点過去の活用
yo fui
tú fuiste
él/ella/usted fue
nosotros/nosotras fuimos
vosotros/vosotras fuisteis
ellos/ellas/ustedes fueron
スペイン語を外国語として学んでいる身からすると、なんとも驚きの話であるが、スペイン語を母語としている人にとってはこれが普通なのだろう。
スペイン語を学ぶ側とすれば、覚える活用が減ったのは喜ぶべきか。
さて、不規則活用をする動詞は、もちろん ser や ir のみではない。他の不規則動詞も見ていこう。
tener の点過去活用
それでは、よく使う語である tener(持つ)の点過去の活用を見てみよう。
tener の点過去の活用
yo tuve
tú tuviste
él/ella/usted tuvo
nosotros/nosotras tuvimos
vosotros/vosotras tuvisteis
ellos/ellas/ustedes tuvieron
この tener の場合、語幹が tuv で共通しているものの、語尾は規則動詞とは異なるのが分かるだろうか。
語尾は以下のようになっているのだ。
-e, -iste, -o, -imos, -isteis, -ieron
この tener と似たような点過去の活用をする動詞はいくつかある。見てみよう。
estar と saber の点過去活用は tener と似ている
tener と似たような点過去の活用をする動詞に、estar と saber がある。
それぞれ見てみよう。
estar の点過去の活用
yo estuve
tú estuviste
él/ella/usted estuvo
nosotros/nosotras estuvimos
vosotros/vosotras estuvisteis
ellos/ellas/ustedes estuvieron
上の活用表を見ても分かるように、estar の点過去活用は、tener のそれとほとんど同じである。tener の活用の接頭に es をつければよいのだ。
tener の活用を覚えれば、estar の活用を覚えるのは容易いといえるだろう。
次に saber の活用を見てみよう。
saber の点過去の活用
yo supe
tú supiste
él/ella/usted supo
nosotros/nosotras supimos
vosotros/vosotras supisteis
ellos/ellas/ustedes supieron
tener, estar, saber について共通していることがある。
それは、語幹が全ての人称で同じである、ということだ。
tener では語幹 tuv、estar では語幹 estuv、そして saber では語幹 sup が、全ての人称において共通して使われている。
こういうことを知っておけば、覚える負担は軽くなるだろう。