gustar型動詞とは何か
このレッスンでは、少し特殊な動詞について学びます。
その動詞とは、gustar というものです。「…が好きです」という表現のために使う動詞です。
この gustar という動詞が、これまで見てきたような動詞とは異なる用法で使われるのです。
また、gustar と似たような使われ方をする動詞は、しばしば「gustar型動詞」と呼ばれます。
それでは、gustar もしくは gustar型動詞がどのように使われるのか、見ていきましょう。
gustar の意味と使い方
gustar は、先にも述べたように「…が好きです」という意味の動詞です。
それだけであれば、別に何の変哲もない動詞のように思えます。gustar は規則動詞ですので、特殊な活用があるわけでもありません。
gustar が特別な存在である理由は、主語と目的語の関係にあります。
厳密に言うと、gustarを使う場合、好きの対象となるものが主語になり、その対象を好きである主体が目的語として扱われるのです。
gustar では「主語」と「目的語」が逆?
gustar では、主語が「好きの対象」で、目的語が「好きである主体」という形で表現されます。
…と説明を聞いてもピンと来ないですよね。例を見てみましょう。
上の日本語の例文「私は紅茶がとても好きです」の場合、主語は「私」で目的語は「紅茶」ですよね。
ですから、gustar が「…が好きです」という意味ならば、普通に考えると × Yo gusto mucho el té. としてしまいたくなります。
でも、これでは正しくないんですね。
上記の例文を見て分かるように、「私」にあたる部分には、yo(私は)ではなく、間接目的格人称代名詞である me(私に)が使用されています。
文法的に解釈すると、上の例文は「紅茶は私にとても好かれている」というロジックになるのです。
あと他にも気を付けないといけないことがあります。分かりますか?
gustar の活用の注意点
gustar や gustar型動詞を使う際に気を付けないといけないのは、主語と目的語だけではありません。
そうです。gustarの動詞の活用にも注意を払わないといけないのです。
先の例文では、gustar は gusta と3人称単数形となっていますね。
これは、主語にあたる部分である「el té」について活用しているのです。ちなみに、gustarは、先にも述べたように規則動詞です。
ですから、好きの対象となるものが複数になったり、2人称になったりすると、当然動詞の活用も変わります。
どうですか。gustar は、perros にしたがって活用され、三人称複数の gustan となっていますね。
前置詞 a + 人 + gustar の構文
さて、上記の例ように、leなどが目的語として使われると、文脈がなければ、誰を指しているのかが分かりません。
そこで、leやlesを具体的に示すために、文頭に「前置詞 a と人名(名詞)」をつけることがあります。
次の例文は、人名を明確にした例です。
このような形にすると、flamenco が好きなのが「Fernando」という人であることが分かりますよね。
また、人名だけでなく、代名詞を使うこともあります。
この場合、文頭に「前置詞 a と前置詞格人称代名詞」をつけます。
gustar型動詞の一覧
gustarと同じような働きをする動詞がいくつかあります。その代表的なものは以下の通りです。
parecer …のように思われる
parecerは、「…のように思われる」という意味の動詞です。
interesar (…にとって)興味がある
interesar は、「(…にとって)興味がある」という意味の動詞です。
doler 痛む
interesar は、「痛む」という意味の動詞です。